既存顧客の売上を拡大するには、売上を「顧客数×購買頻度×顧客単価」の3つの変数に分解し、低下している変数を数字で特定してから、顧客層ごとに施策と検証方法を決めます。
事業責任者の方から、「既存顧客向けの施策は続けているのに、売上が伸びたのかどうか社内で説明できない」といった声をよく耳にします。背景にあるのは、既存顧客の売上をひとかたまりの数字として見ていることです。どの変数の数値が低下しているのかが分からなければ、打つ手も成果の測り方も決まりません。
この記事では、売上を3つの変数に分けて低下している箇所を突き止め、層ごとの施策と効果検証につなげる進め方を解説します。既存顧客の売上を伸ばしたい経営者やマーケティング担当者の方は、ぜひご覧ください。
既存顧客の売上拡大が経営課題になる理由
既存顧客の売上拡大は、販促の一施策ではなく、経営課題として扱う必要があります。既存顧客への取り組みを一施策として扱っているうちは、予算も人も集まりにくく、継続的な投資につながらないためです。
経営課題として扱うべき主な理由は、次の3つです。
- 既存顧客が売上の大半を支えているから
- 新規顧客の獲得コストが上がり続けているから
- 成果が見えにくく、投資が後回しになりやすいから
既存顧客が売上の大半を支えているから
既存顧客との関係は、継続的な売上を支える重要な経営資産です。「売上の約8割は既存顧客が支えている」と言われることもあります。
ただし、この比率は業種や事業モデルによって異なり、すべての企業に当てはまるわけではありません。まずは自社の売上に占める既存顧客の割合を確かめてください。
既存顧客の売上拡大は販促手法だけの問題ではなく、顧客起点で事業をどう動かすかという経営上の論点につながっています。
新規顧客の獲得コストが上がり続けているから
新規顧客の獲得コストが上がるほど、同じ予算を既存顧客に振り向けた場合の効果と比べる価値は高まります。
よく引き合いに出されるのが「1:5の法則」です。新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持するコストの5倍にのぼるという考え方を指します。
この数値そのものは、あくまで目安と考えるのが妥当です。それでも、新規獲得のコスト負担を踏まえ、既存顧客への投資と比べる意味はあります。新規獲得と既存顧客施策の費用対効果を比べ、予算配分を見直してください。
成果が見えにくく、投資が後回しになりやすいから
既存顧客への施策は、成果が見えにくい「不在の証明」になりがちです。成果が「施策によって離反を防げたこと」として表れるため、何もしなかった場合との差が見えにくいからです。
そのため社内で評価されにくく、予算や人材も集まりにくくなります。そこで、施策を始める前に、何を成果とするかを数値で決めておく必要があります。
- 坂東コメント:既存顧客向けの施策は、うまくいくほど「何も起きなかった」ように見えます。500社・30業種の購買データを見てきた範囲でも、施策の成果を売上の数字で示せている企業は多くありません。弊社では、施策を始める前に、実施する顧客と実施しない顧客をどの条件で揃えて比べるかを決めておくようお勧めしています。
既存顧客の売上は3つの要素(変数)に分解して考える
既存顧客の売上は、「顧客数×購買頻度×顧客単価」の3つの変数に分解して考えます。売上を一つの数字として追っているうちは、下がったときにどこへ手を打てばよいかが決まらないためです。
ここでは、架空の企業を例に、分解の仕方と低下している変数の見極め方を解説します。
- 顧客数×購買頻度×顧客単価に分解する
- 低下している変数を見極める
- 3つの変数はLTV(顧客生涯価値)にも影響する
顧客数×購買頻度×顧客単価に分解する
既存顧客の売上は、次のように表すことができます。
- 既存顧客の売上=(取引のある顧客数)×(一定期間あたりの購買頻度)×(顧客単価(1回あたりの平均購買単価))
たとえば、既存顧客が1,000人、年間の購買頻度が2回、顧客単価が10,000円の企業なら、既存顧客からの年間売上は2,000万円です。
- 既存顧客の売上=(1,000人)×(2回)×(10,000円)=2,000万円
ここで、翌年の売上が1,800万円に下がったとしましょう。減った理由が顧客数なのか、購買頻度なのか、顧客単価なのかによって、打つべき手はまったく異なります。分解することで、売上低下の原因がどの変数にあるのかを特定できます。
低下している変数を見極める
改善の優先箇所は、3つの変数を前年と並べ、下がっているものから決めます。
先ほどの企業で比べると、顧客数と顧客単価は横ばいで、購買頻度だけが年2回から1.8回に下がっていました。この場合、手を打つべきは購買頻度です。
3つの変数を同時に動かそうとすると施策が分散し、どの施策が売上を押し戻したのかも判別できません。変数ごとの対応方針は、次のように整理できます。
- 「顧客数」が減少している:離反を防ぐ施策
- 「購買頻度」が下がっている:接点をどうつくるかを見直す施策
- 「顧客単価」が下がっている:上位商品への移行(アップセル)や関連商品の追加購入(クロスセル)の施策
3つの変数はLTV(顧客生涯価値)にも影響する
3つの変数は、今期の売上だけでなく、LTV(顧客生涯価値)も左右します。
既存顧客の売上が一定期間の事業全体を見る指標であるのに対し、LTVは1人の顧客が取引期間全体でもたらす価値を見る指標ですが、どちらも購買頻度と顧客単価、そして取引の継続期間で決まる点は共通しているためです。
先ほどの企業のように、購買頻度が下がれば、今期の売上だけでなく、1人あたりのLTVも目減りしていきます。
▶関連記事:LTVを最大化する4つの変数とは?計算方法から仕組み化の手順までを解説
「顧客数」「購買頻度」「顧客単価」を測る指標と計算式
顧客数・購買頻度・顧客単価のどこに課題があるかは、変数ごとの指標で測ることで判断できます。主な指標と計算式は次のとおりです。
3つの変数を測る指標と計算式
| 変数 | 指標 | 計算式 |
|---|---|---|
| 顧客数 | 残存率 (購買段階ごとの定着率) | 次の購買に進んだ顧客数 ÷ その購買段階の対象顧客数 |
| リピート率 (F2転換率) | 2回以上購入した新規顧客数 ÷ 対象期間の新規顧客数 | |
| チャーンレート (解約率) | 一定期間に離反した顧客数 ÷ 期首の顧客数 | |
| 購買頻度 | 購買間隔日数 | 前回購入日から次回購入日までの日数 |
| 顧客単価 | 平均購買単価 | 一定期間の売上 ÷ 同期間の購買回数 |
「顧客数」を測る指標
顧客数は、残存率(購買段階ごとの定着率)で測ります。残存率を見ると、どの購買回数の段階で次の購入に進まない顧客が多いのかまで分かるためです。
全体の顧客数が減っていても、初回で止まった顧客が多いのか、長く続いた顧客が離れたのかで、打ち手は正反対になります。
初回→2回目の残存率は、「リピート率(F2転換率)」と呼ばれる指標です。ここが低ければ新規顧客の定着に、チャーンレートが上がっていれば長く続いた顧客の離反に、それぞれ課題があると判断できます。
▶関連記事:チャーンレートを下げる方法|計算式と予兆検知による改善策
▶関連記事:リピート率を上げる5つの方法とは?何回目で離脱するかを特定しよう
「購買頻度」を測る指標
購買頻度は、購買間隔日数(前回購入から次回購入までの日数)で測ります。年間の購買回数は1年が終わるまで確定しませんが、購買間隔日数なら、普段の間隔を超えた顧客をその時点で見つけられるためです。
先ほどの企業の場合、年2回なら約180日だった平均の購買間隔が、1.8回に下がったときには200日ほどに延びていた計算です。購買頻度の課題に早く手を打つには、この指標を顧客ごとに追っておく必要があります。
「顧客単価」を測る指標
顧客単価は、平均購買単価で測ります。
ただし、単価が上がったときは、その理由がアップセルやクロスセルによるものか、値引きの縮小によるものかを分けて考える必要があります。値引きを減らしただけの単価上昇なら、購買頻度が同時に落ちて、売上全体は伸びていない可能性もあるためです。
アップセルとクロスセルがそれぞれ売上に占める比率を追っておくと、単価上昇の要因を切り分けられます。
▶関連記事:CRM施策で追うべきKPI|施策別の代表的な指標一覧と設計手順を解説
既存顧客を購買データでセグメントする方法
課題のある変数が分かったら、次に購買データで顧客を層に分けます。すべての既存顧客に同じ施策を打つだけでは売上は戻らないためです。購買頻度が下がった企業でも、実際に購買間隔が延びているのは一部の顧客に限られる場合があり、誰の購買間隔が延びているのかを特定する必要があります。
- 顧客を分ける軸を決める
- 休眠・離反の基準を決める
- 優先して手を打つ層を決める
顧客を分ける軸を決める
既存顧客は、次の3軸で分けると、状態の異なる層に分かれます。
- 最終購買日:購買頻度の低下や離反の予兆
- 一定期間の購買回数:購買頻度
- 累計購買金額:売上への貢献度
この3軸の組み合わせで、代表的には次の4つの層に分類できます。
既存顧客の4つの層と施策の方向
| 顧客層 | 3軸で見た状態 | 改善する変数と主な施策 |
|---|---|---|
| 優良顧客 | 購買回数・累計購買金額がともに高く、最終購買日も近い | 顧客単価:上位商品や関連商品の提案 |
| 安定顧客 | 最終購買日は近く、購買回数は一定だが、購買回数・累計購買金額が伸びていない | 購買頻度:購入検討期に合わせた接点 |
| 離反予備軍 | 最終購買日から普段の購買間隔以上が経過している、または累計購買金額の伸びが鈍っている | 顧客数:間隔が延びた時点での先回りフォロー |
| 休眠顧客 | 最終購買日から自社の基準を超えて購入がない | 顧客数:復帰見込みの高い層からの掘り起こし |
分類はツールの標準機能に任せず、自社の購買サイクルに合わせて区切る必要があります。
休眠・離反の基準を決める
休眠の基準は、外部の目安に頼らず、最終購買日からの経過日数(購買間隔日数)の分布から決めます。たとえば、外部のテンプレートで「半年」と設定されていても、商材の購買サイクルによってその意味は変わるためです。
分布上で復帰率が大きく落ちる地点を基準にすると、実態に合った線引きになります。
ただし、購買データだけでは離脱の背景までは分かりません。解約時の記録や営業の商談メモから、「終わった理由」を突き合わせ、「期間」「金額」「理由」の3軸で分類します。基準が定まっていなければ、施策の対象も効果検証の母集団も決まりません。
- 坂東コメント:業界平均をそのまま休眠の基準に使えた企業は、弊社の支援先ではほとんどありません。基準は自社の購買間隔の分布から決め、外部の目安は答え合わせに使う程度で十分です。
優先して手を打つ層を決める
優先して手を打つのは、売上への影響が大きく、離反の兆候も強い層です。累計購買金額が大きい層ほど売上への影響が大きく、最終購買日からの経過が普段の購買間隔を超えている層ほど離反の兆候が強いと判断できます。
そのうえで、層ごとに「顧客数」「購買頻度」「顧客単価」を確認し、前年から低下している項目を見て決めます。
先ほどの企業なら、購買頻度の低下が優良顧客で起きているのか、安定顧客で起きているのかによって、優先順位は変わります。売上の多くを占める優良顧客の購買間隔が延びているなら、そこが最初に手を打つ場所です。
既存顧客のセグメント別売上拡大施策
顧客を4つの層に分類したら、層ごとに改善する変数を決め、それに合わせて施策を分けます。すべての層に同じクーポンやメールを一律に届けても、反応する層は限られるためです。
各層で改善する変数と施策は次のとおりです。
- 優良顧客:予兆監視と単価を上げる提案
- 安定顧客:購買頻度を上げる接点設計
- 離反予備軍:離れる前の先回りフォロー
- 休眠顧客:復帰見込みの高い層から着手
優良顧客:予兆監視と単価を上げる提案
優良顧客には、購買履歴から割り出した上位商品や関連商品を提案して顧客単価を伸ばしつつ、購買間隔の延びや問い合わせの減少を監視して顧客数を守ります。
この層で注意したいのは、購入が続いたまま、購買間隔が少しずつ延び始める変化です。売上構成比が高いため、1件の離反でも全体への影響は大きくなります。次に必要になりそうな商品を購買履歴からあらかじめ割り出しておくと、案内するタイミングを逃しません。
優良顧客への案内は値引きだけに寄せず、先行案内や限定情報も選択肢にします。購入の動機を価格以外にも用意しておくことで、上位商品や追加購入につなげやすくなります。
安定顧客:購買頻度を上げる接点設計
安定顧客には、購買間隔日数から次の購入検討期を割り出し、その少し手前で接点を持って購買頻度を上げます。
この層で起きているのは、購入は一定の間隔で続いているものの、回数や金額が伸びていない状態です。離反の兆候は相対的に少ない一方、売上を伸ばす余地は残っているため、購入のきっかけを作ることが施策の中心になります。
接触の中心は、定期的な情報提供や使い勝手の確認など、売り込みではない内容です。一対多の接点で頻度を保ち、一対一の接点は話す材料が揃ったときに絞れば、接触の総量を増やさずに関係を保てます。
離反予備軍:離れる前の先回りフォロー
離反予備軍には、普段の購買間隔を超えた時点で、使い方の案内や困りごとの確認から接触し、離反を防いで顧客数を守ります。
この層は、購入はまだ続いているものの、購買間隔が普段より延びたり、購買金額が下がったりしています。先ほどの企業で購買頻度を押し下げていたのもこの層でした。まだ接点が残っているため、声が届くうちに理由を確かめられるのがこの段階の利点です。
先ほどの企業で、普段の購買間隔を大きく超えた顧客が仮に200人いたとします。この200人に、使い方の案内や困りごとの確認から接触していく形です。
▶関連記事:定期購入の継続率を上げる方法|サブスク解約防止の施策と手順
休眠顧客:復帰見込みの高い層から着手
休眠顧客には、過去の購買金額と休眠期間で優先順位をつけ、戻ったときのインパクトが大きく、休眠期間の短い層から掘り起こしを行います。
休眠顧客は、自社で定めた基準を超えて購入が途絶えている層を指します。掘り起こしの効果は、施策を実施したグループと実施しなかったグループの復帰率の差で確認します。
- 坂東コメント:どの層にもクーポンと値引きを並べてしまう企業は少なくありませんが、それで改善できる数字は一時的です。お客様がリピートする理由は、ブランド固有の価値と、現場の人が積み重ねてきた関係の2つにあります。層ごとに「この会社から買い続ける理由」をどう届けるかを設計することが欠かせません。Geneが「日本型CRM」(ブランドの価値・独自性と、現場が築いてきた顧客との関係の2つを理解したうえで、CRMの全体戦略に落とし込む考え方)と呼んでいるのは、この考え方です。
▶関連記事:休眠顧客の掘り起こし|効果的な6つの施策と実行手順・成功事例
▶関連サービス:データ分析(LTV・離反予測)
既存顧客の売上拡大施策を実行・検証する手順
施策の実行と検証は、次の4ステップで進め、効果の測り方は施策を始める前に決めておきます。
- 分析
- 施策
- 実装
- 効果検証
既存顧客への施策は成果が「不在の証明」になりやすく、実行して結果を確かめなければ、次に改善すべき点が見えてこないためです。
ここでは、4ステップの流れと、実装・効果検証それぞれのポイント、実行時の注意点を順に解説します。
分析→施策→実装→効果検証の4ステップで回す
既存顧客の売上を伸ばすには、分析→施策→実装→効果検証を一連の流れとして回すことが欠かせません。
先ほどの企業に当てはめると、まず分析で購買頻度が年2回から1.8回に下がっていることを確認し(分析)、次に購買間隔が延びた離反予備軍へ先回りのフォローを行うと決めます(施策)。対象者の抽出と配信を実施したら(実装)、最後に購買頻度と売上がどれだけ戻ったかを確かめます(効果検証)。
検証期間は、施策を始める前に決めておく必要があります。期間を後から決めると、都合のよい区切り方で成果を判断してしまいかねないからです。
実装:ツールを足す前に配信と接点を見直す
実装の段階では、新しいツールを足す前に、今の配信対象と頻度を見直します。既存顧客施策が伸び悩む原因は、MA(マーケティングオートメーション)やCRMツールの機能不足だけではないためです。
Geneが支援したある企業では、年間約1.2億円の配信コストを約6,000万円まで削減(約6,000万円のコストダウン)し、別の企業では、開発費の見積もりを5,000万円削減しました。いずれも「足す」より「見直す」で成果が向上した例です。
▶関連記事:CRM導入の失敗原因とは?現場に定着しない理由と解決策を解説
効果検証:実施群と非実施群の差分で測る
効果は、同じ条件の顧客を実施群と非実施群に分け、その差分で測ります。施策を当てた顧客だけを見ると、もともと買う予定だった顧客の売上まで成果として数えてしまうからです。
先ほどの200人を無作為に100人ずつに分け、片方にだけフォローを行ったとします。3ヶ月後の再購入率が実施群で30%、非実施群で20%なら、施策によって上乗せされたのは10ポイント、10人分です。この差分があれば、「不在の証明」を社内で数字として示せます。
- 坂東コメント:開封率やクリック率が上がっても、売上が動いていなければ成果とは言えません。弊社では実施群と非実施群を比べ、売上・購買頻度・単価のどれが動いたかまで確認したうえで、次にどの層へ投資するかを決めています。
実行時の注意点:顧客単価だけを目標にしない
実行時の注意点は、顧客単価だけを目標にしないことです。顧客単価だけを目標に置くと、アップセル・クロスセルを案内するタイミングの見極めが飛ばされ、短期の売上と引き換えに顧客との関係を損なうおそれがあるためです。
アップセルは上位グレードの商品やプランへの移行を促すこと、クロスセルは関連する別の商品の追加購入を促すことです。
成否を分けるのは、顧客に対する案内のタイミングにあります。アップセルは購入意思が固まったとき、クロスセルは購入を決めた直後が適した場面です。決めかねている段階で勧めても、邪魔な提案として受け取られかねません。
- 目標を決めずに施策を走らせない
- すべてを手作業で回そうとしない
という2点も実行段階の注意点です。
既存顧客の売上拡大をCRM戦略コンサルティングのGeneに相談する3つの理由
ここまでの進め方を自社だけで回そうとすると、データ分析の専門性や推進リソースが足りないという壁に突き当たります。3つの変数のどこが低下しているかは特定できても、層ごとの施策設計と実施群・非実施群の差分検証まで自社で回すには、購買データを扱える人手と時間が必要です。
ツールありきではなく、顧客起点で課題に向き合えることが、Geneが選ばれる理由です。具体的には、次の3つが挙げられます。
- ブランドの価値と顧客との関係を理解したうえで、CRMの全体戦略を描くから
- 打ちたい施策に合わせてツールを組み合わせ、顧客のセグメントごとに施策を打てるから
- 高精度の売上予測モデルで、既存顧客の売上を先読みできるから
ブランドの価値と顧客との関係を理解したうえで、CRMの全体戦略を描くから
Geneは、層ごとの施策を値引きやクーポンに頼らず設計するために、施策やツールから入らず、ブランドの価値と顧客との関係を言語化するところから支援を始めます。
ブランドが顧客に届けたい価値と、現場が築いてきた顧客理解をすくい上げてからCRMの全体戦略を描くため、どの層への提案でも、顧客が求めていない商品や値引きを案内しない設計を基本とします。
セグメント別の施策が、価格以外の「この会社から買い続ける理由」を届ける手段としてつながるのは、この順番があるからです。
打ちたい施策に合わせてツールを組み合わせ、顧客のセグメントごとに施策を打てるから
Geneは、優良顧客から休眠顧客まで、層ごとに改善する変数に合わせた施策を、ツールを増やさずに実行できます。
特定のツールを持たず、適切なツールを組み合わせて、企業に合わせてシステムを開発していく体制のため、打ちたい施策に合わせて最適なツールを組み合わせられるからです。
「購買間隔が延び始めた顧客だけに早めに声をかける」といった出し分けも、今あるツールの見直しから実現できるケースは少なくありません。新しいツールを売る立場にないからこそ、足す前に見直すという判断をフラットに提案できます。
そのため、優良顧客から休眠顧客まで、層ごとに動かす変数に合わせた施策をツールを増やさずに実行できます。
高精度の売上予測モデルで、既存顧客の売上を先読みできるから
Geneは、既存顧客から今後見込まれる売上をセグメント別に先読みし、どの層にどれだけ投資すべきかの判断を支援します。30業種・500社以上、累計1.5兆円の購買データをもとに、セグメントごとのリピート率と購買間隔日数を数式化し、実績ベースで誤差5%以内の精度で将来の売上を予測するモデルを持っているためです。
ある企業では、利用が途切れる数ヶ月前から注文頻度が落ち始める予兆が、データで確認されました。「後追い」から「先読み」への転換を、実務のレベルで支えるのがこのモデルです。
既存顧客の売上拡大に関するよくある質問
最後に、既存顧客の売上拡大に取り組む事業者の方から、よくいただく質問にお答えします。
既存顧客と新規顧客のどちらを優先すべきですか?
すでに一定数の既存顧客がいる場合は、既存顧客からの売上拡大を優先します。購買データをもとに施策の効果を確認しやすく、改善にもつなげやすいためです。
一方、市場への参入直後など、既存顧客が少ない段階では新規獲得を優先します。
顧客データが十分にない状態でも始められますか?
始められます。顧客ごとの購買履歴が時系列で残っていれば、購買間隔日数や残存率の分析に着手できるからです。購買金額もあれば、顧客単価まで分析できます。
データが複数のシステムに分かれていても、顧客IDで突き合わせられる範囲から始めれば十分です。
どのくらいの期間で効果が出ますか?
商材の購入サイクルによって異なりますが、目安は購買機会2回分の期間です。たとえば、平均して3ヶ月に1回購入される商材なら、6ヶ月程度が一つの区切りになります。
最終的な売上の数字を待つ間も、購買間隔日数の変化は早い段階から確認可能です。
CRMツールを導入すれば既存顧客の売上は伸びますか?
ツールを導入するだけで、既存顧客の売上が伸びるとは限りません。判断の目安は、今のツールで「どの層に、いつ、何を届けるか」を出し分けられているかどうかです。
出し分けができていて、かつ運用が追いつかない段階で初めて、ツールの追加や自動化を検討するフェーズになります。
アップセルとクロスセルはどう使い分けますか?
上位の商品やプランで顧客のニーズに応えられる場合はアップセル、今の商品と組み合わせることで新たな価値を提供できる場合はクロスセルが適しています。
タイミングの目安は、アップセルが購入意思の固まった段階、クロスセルが購入を決めた直後です。
まとめ
既存顧客の売上を拡大するには、施策の数を増やすのではなく、「顧客数×購買頻度×顧客単価」の3つの変数のどこに課題があるかを特定することから始めます。
低下している変数を残存率・購買間隔日数・平均購買単価などの指標で特定し、購買データで顧客を優良顧客・安定顧客・離反予備軍・休眠顧客の4層に分け、層ごとに改善する変数と施策を決めます。効果は実施群と非実施群の差分で検証し、この流れを繰り返すことで、売上拡大につながる施策を見極められます。
まずは自社の購買データを使って、3つの変数を前年と比較するところから始めてください。ただし、休眠の基準や優先すべき層は業界平均ではなく自社データから決める必要があり、社内だけでは判断しにくいものです。
Geneは、30業種・500社以上の購買データ分析をもとに、課題のある変数の特定からセグメント別の施策設計、効果検証の設計までを支援しています。どこに改善の余地があるのかを見極めたい方は、初回診断をご活用ください。