「施策は打っているのに、継続率が上がらない」。定期通販やD2C、サブスク型サービスの事業責任者から、そうした声をよく耳にします。原因の多くは、施策の量ではなく、見ている数字の粒度と手を打つタイミングです。
この記事では、継続率と解約率の定義と計算方法から、顧客が離れる理由と解約の予兆、継続率を上げる7つの施策、仕組み化の手順までを整理します。単発の引き留め策で終わらせないための考え方を解説します。
定期購入とサブスクの継続率とは何を示す指標か
「継続率」は定期通販でもサブスクでも日常的に使われますが、社内で数字を持ち寄ると、集計期間も分母も担当者ごとに違っていたということは珍しくありません。まずは継続率の意味と、自社での計算・把握の仕方を整理します。
継続率は一定期間後も利用が続いている顧客の割合
継続率とは、ある時点で獲得した顧客のうち、一定期間後も取引が続いている割合です。次のように読み替えられます。
| ケース | 継続率の意味 |
|---|---|
| 定期購入の場合 | ◯回目まで続いた割合 |
| サブスクの場合 | ◯ヶ月後も契約が続いている割合 |
リピート率が新規顧客のうち2回目以降の購入に至った割合を見るのに対し、継続率は途切れずに続いている顧客の割合を示します。リピート率の改善方法は、別記事「リピート率を上げる5つの方法」で詳しく解説しています。
継続率と解約率は同じ現象を裏表から見た数字
継続率と解約率は、同じ顧客の動きを別の側面から見た指標です。継続率は「どれだけ残っているか」、解約率は「どれだけ離れたか」を示します。継続率を上げることと解約を防ぐことは、基本的に同じ課題です。
定期購入とサブスクも、継続によって収益を積み上げる点は共通しています。そのため、改善の考え方や施策にも大きな違いはありません。
継続率の計算方法と目安の考え方
継続率の測り方は一つではなく、実務では次の3種類を使い分けます。
継続率の主な計算方法
| 種類 | 計算内容 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 残存率 (コホート型) | 同時期に獲得した顧客のうちn回目まで残った割合 | どの段階で抜けているか |
| 区間継続率 | ある回から次の回へ進んだ割合 | 落ち込みが集中する区間 |
| 解約率 | 一定期間内に取引が終了した割合 | 現在失っている量 |
基準値は自社データからつくり、業界平均などの外部の目安は答え合わせに使ってください。業界平均は、商材や価格帯、獲得チャネル、初回オファーの前提がそろわなければ比較にならないためです。同じ企業でも商品の組み合わせで継続率は変わり、全社平均は性質の異なる母集団を混ぜた数字です。
- 坂東コメント:ある企業では、自社ブランド商品の購入比率が一定水準以上の層で、12ヶ月後の継続率が9割を超えていました。同じ企業でも顧客層でここまで差が出る以上、全社平均と業界平均を見比べても動かすべき場所は見えません。まず自社の数字を分解することが出発点です。
定期購入とサブスクで継続率が重視される背景
継続率は単なる管理指標ではなく、事業の採算に直結する数字です。ここでは、初回の獲得費用と長期の売上という2つの観点から、継続率が収益に与える影響について解説します。
継続率が低いと初回獲得にかけた費用を回収できない
定期購入もサブスクも、初回オファーの割引や広告費など、獲得に先行して費用がかかります。その費用を2回目以降の利益で回収するのが基本的な収益構造です。
重要なのは、何回継続すれば獲得費用を回収できるのかという視点です。1人あたりの獲得コストと継続後の利益から算出できます。回収前に離脱する顧客が多いほど、獲得しても利益は残りません。
継続率の差が長期の売上を左右する
継続率に数ポイントの差しかなくても、回数を重ねるほど差は積み重なります。12回目、24回目と長期で見れば、継続している顧客数に大きな開きが生じます。
単価アップやアップセルが1回ごとの売上に影響する一方、継続率は顧客基盤全体の売上を左右します。市場が縮小するなかでは、優先度の高いテーマです。
顧客が定期購入やサブスクを解約する理由
継続率を上げるには、まず「なぜ離れるのか」を正しくつかむ必要があります。ただし、アンケートで挙がる解約理由と実際に起きていることは、一致しないことが少なくありません。ここでは、顧客が定期購入やサブスクを解約する代表的な理由を3つ紹介します。
期待していた効果や価値を実感できていない
最も多いのが、申し込み前の期待と実際の利用体験のズレです。「効果を感じられない」「想像と違った」と感じると、早い段階で解約につながります。
見落とされがちなのは、価値が伝わりきる前に解約されている点です。商品の問題というより、価値を実感してもらうまでの導線が設計されていないことが原因です。回答と実態は一致するとは限らないため、行動データで利用状況を確認してください。
解約理由と顧客の状況
| 解約理由として挙がる回答 | 顧客の状況 | 確認すべきデータ |
|---|---|---|
| 効果を感じられなかった | 価値を実感する前に利用が止まった | 初回から2回目の継続率 |
| 価格が高い | 支払額に見合う実感が薄れた | 通常価格移行後の継続率 |
| 使い切れない | 周期と消費ペースがずれた | スキップ・周期変更の回数 |
払っている金額に価値が見合っていない
解約理由として、「料金が高い」「経済的に続けられない」といった声も少なくありません。特に初回オファーの割引率が大きい場合、通常価格に切り替わったタイミングで価格差を感じやすくなります。
ただし、値下げだけで解決するとは限りません。支払額に見合う価値を感じられているかどうかも継続を左右します。
価格を下げる前に、商品の価値が十分に伝わっているかを見直すことが重要です。関与が高い顧客ほど、価格が変わっても継続しやすくなります。
- 坂東コメント:解約理由として「価格」が最も多く挙がる企業は珍しくありません。値下げをしても継続率がほとんど変わらないケースが多くあります。「価格が高い」と答えた顧客の行動を遡ると、それより前から購入間隔が延びていることも少なくありません。つまり、価格そのものではなく、答えやすい言葉が「価格」だった可能性もあります。
商品が使い切れずに手元に余っている
物販型の定期購入では、使い切る前に次が届き、手元に余ることがあります。在庫が積み上がると、届くこと自体が負担になりかねません。
商品への不満とは限らず、配送周期が消費ペースに合っていないことが要因です。複数商品のコースは余りにくい場合も、逆に負担が増す場合もあります。サブスクでも、プランに対して利用量が少ない状態には同じことがいえます。
ここまで紹介してきた解約理由に共通するのは、提供方法と顧客の利用実態とのズレです。
定期購入やサブスクの解約には事前の予兆がある
解約は、ある日突然起きるものではなく、多くの場合その手前で顧客の行動に少しずつ変化が現れます。予兆を捉えれば、解約画面に到達する前に対応可能です。ここでは、段階ごとに現れる3つのサインを紹介します。
- 購入や利用の間隔が延び始める
- スキップや配送間隔の変更が繰り返される
- 連続して利用がない状態が続く
購入や利用の間隔が延び始める
早い段階に表れやすいのが、購入や利用の間隔が徐々に延びることです。
判断の基準は全体平均ではなく、顧客ごとの通常のペースを使いましょう。全体平均で見ると、もともと間隔が長い顧客を予兆ありと判断したり、短い顧客の変化を見逃したりするためです。
- 坂東コメント:一般には「解約の意思表示があってから引き留める」と考えられがちです。しかしある企業では、完全に利用が途切れる数ヶ月前から注文頻度が落ち始めるという予兆が確認されています。この期間に対応できるかどうかが、継続率を左右します。
スキップや配送間隔の変更が繰り返される
スキップや配送間隔の変更が増えた場合は、利用ペースと配送周期が合わなくなっている可能性があります。すぐ解約につながるとは限りませんが、商品が余り始めているサインです。
数量の減少や下位プランへの変更、支払い方法の未更新も同じ系統の変化といえます。複数商品の購入から単品へ切り替わった場合は、商品との接点が狭まっている兆候です。
解約の予兆と確認するデータ
| 予兆の種類 | 見るデータ | つながりやすい解約理由 |
|---|---|---|
| 購入・利用の間隔が延びる | 平常時の間隔とのズレ | 価値を実感できていない |
| スキップ・周期変更が続く | スキップ回数、周期・数量の変更履歴 | 商品が使い切れず余る |
| 購入商品の幅が狭まる | 組み合わせから単品への切り替え | 価格に価値が見合わない |
連続して利用がない状態が続く
スキップや配送間隔の変更にとどまらず、連続して利用がない状態が続くようになると、解約・離脱に最も近い段階に入ります。未利用の期間や回数が積み重なるほど、顧客の復帰は難しくなります。
この段階で確認したい指標が「休眠復帰率」です。一定期間または一定回数、利用がなかった顧客のうち、施策をきっかけに再び利用した割合を指し、解約済みの顧客の再契約率とは対象が異なります。
実際に、利用が途切れている顧客へアプローチした結果、未実施のグループと比べて休眠復帰率が約3割高くなった企業もあります。予兆は一つの行動だけで判断せず、複数の変化を重ねて捉えてください。
どの段階から復帰しにくくなるかは、外部で見聞きした基準ではなく、過去に離脱した顧客のデータで確認します。未利用の回数ごとに顧客を分け、休眠復帰率が大きく下がる境目を特定すれば、手を打つタイミングを自社の実態に合わせて決められます。なお、予兆は一つの行動だけで判断せず、複数の変化を重ねて捉えてください。
休眠してしまった顧客へのアプローチは、別記事「休眠顧客の掘り起こし」で詳しく解説しています。
- 坂東コメント:どの段階から復帰しにくくなるかは、過去に離脱した顧客のデータで確認できます。未利用の回数ごとに顧客を分け、休眠復帰率が大きく下がるタイミングを特定するだけです。ただしこの分析は後回しになりやすく、外部で見聞きした基準を使い続けるケースも少なくありません。自社の実態より遅い基準では、本来復帰できた顧客へのアプローチが遅れます。
定期購入の継続率を上げサブスク解約を防ぐ7つの施策
ここからは、定期購入やサブスクの継続率を高める7つの施策を紹介します。どれか一つを実施するのではなく、顧客の状態に合わせて組み合わせることが重要です。
定期購入やサブスクの継続率を高める施策と見るべき指標
| No. | 施策 | 効きやすい場面 | 見るKPI |
|---|---|---|---|
| 1 | 初回から2回目までの体験を設計する | 初回離脱が多い | 初回→2回目の区間継続率 |
| 2 | 現場が持つ顧客理解をデータと組み合わせる | 一律配信で反応が鈍い | セグメント別の継続率 |
| 3 | 配送サイクルとスキップの自由度を上げる | 「余る」理由の解約が多い | 周期変更後の継続率 |
| 4 | 継続率が高い商品の組み合わせを見つける | 全社平均で差が見えない | 組み合わせ別の継続率 |
| 5 | 継続するほど価値が増す設計にする | 中盤以降の離脱が多い | 回数帯別の残存率 |
| 6 | 決済エラーをなくす | 意図しない解約が混ざる | 決済失敗率と復旧率 |
| 7 | 解約の申し出には代替の選択肢を用意する | 解約画面での離脱が多い | 一時停止・変更への転換率 |
1.初回から2回目までの体験を設計する
初回購入から2回目までの間に、顧客が使い方と価値を実感できる体験を設計する施策です。継続率が大きく下がりやすいのは初回から2回目までのタイミングで、価値を理解できないまま時間が経つと、2回目につながりにくくなるためです。
定期購入なら初回同梱物で使い方を伝え、サブスクならオンボーディングで初期設定をサポートする方法が有効といえます。いずれも申し込み直後に放置せず、実際に使って価値を感じてもらうところまで設計することがポイントです。
2.現場が持つ顧客理解をデータと組み合わせる
コールセンターや接客の現場に蓄積された顧客理解を、購買データと組み合わせて施策に反映します。データで顧客の行動は把握できても、それがなぜ起きたのかまで数字だけで判断するのは困難なためです。
狙いは現場をシステムに合わせることではなく、現場が積み上げてきた判断を、データの力で広げることです。組み合わせは一方向ではありません。データから読み取った変化を現場に返し、次の接客や案内に活かすことで、初めて現場の判断は仕組みとして広がります。
他社の事例をそのまま取り入れず、自社の顧客と現場に合わせて設計してください。他社の成功施策をそのまま導入して失敗するパターンは、別記事「CRM導入の失敗事例5選」で詳しく解説しています。
- 坂東コメント:海外で成果を上げた施策をそのまま国内に導入し、売上は伸びたものの利益が残らず、最終的に取りやめた企業もあります。顧客の特徴や購買行動が異なれば、同じ施策でも同じ成果が得られるとは限りません。自社のデータと現場の顧客理解をもとに組み立てることが重要です。
3.配送サイクルとスキップの自由度を上げる
スキップや配送間隔、数量を顧客自身で変更できるようにし、解約以外の調整手段を用意します。商品が余って解約につながるケースの多くは、配送のペースが顧客の消費量に合っていないことが原因だからです。
併せて一時停止も選べるようにすれば、解約せずに利用状況に合わせて調整できる選択肢が増えます。
4.継続率が高い商品の組み合わせを見つける
既存顧客を購入商品やプランの組み合わせでパターン別に分け、継続率が高い組み合わせを特定します。同じ企業でも、組み合わせによって継続率には明確な差が出るためです。
定番商品と併せて購入されている商品、複数カテゴリを購入している顧客など、切り口を変えて分析すると、継続率の高い組み合わせが見えてきます。
商品の組み合わせに応じた施策
| 商品の組み合わせパターン | 継続率の傾向 | 施策 |
|---|---|---|
| 定番商品と関連商品を併用する | 高く出やすい | 初回オファーをこの形に寄せる |
| 単品のみで継続する | 平均前後にとどまりやすい | 2回目以降で関連商品を提案する |
| 複数カテゴリにまたがる | 母集団によって差が大きい | さらに分けて要因を確認する |
高いパターンを特定できたら、初回オファーや2回目以降の提案に取り入れます。ただし、その組み合わせ自体が継続につながったとは限りません。もともと関心が高い顧客が選んでいる可能性もあるため、要因を分けて考える必要があります。
5.継続するほど価値が増す設計にする
継続回数に応じた特典や会員ランク、利用履歴に応じたサービスなど、続けるほどメリットが増える仕組みを用意します。継続で得られる価値を、割引以外にもつくることが重要です。
一方、値引きだけを理由にすると、割引がなくなった時点で続ける理由も弱まります。割引期間中は維持できても、終了後の解約につながります。
6.決済エラーをなくす
有効期限前の通知、決済失敗時の再決済、複数の決済手段の用意によって、決済エラーによる意図しない解約を防ぎます。有効期限切れや利用限度額の超過による決済エラーは、解約の意思がない顧客の契約まで終了させてしまいますが、事前の対策で防げます。
継続率を高める施策の前に、まず決済エラーによる解約を減らしましょう。
7.解約の申し出には代替の選択肢を用意する
解約の申し出があったときに、一時停止や配送サイクルの変更、プランのダウングレードなど、代替の選択肢を提示できるようにしておきます。やめる・続けるの二択にせず、顧客が無理なく続けられる方法を用意しておくことがポイントです。
聞いた解約理由は今後の改善に反映させます。なお手続き自体はわかりやすくし、不必要に複雑な仕組みは避けてください。
- 坂東コメント:解約画面での引き留めは、どの企業も工夫されています。ただ、そこで踏みとどまる顧客は、かなり手前で兆しが出ていることがほとんどです。購買間隔が延び始めた時点で声をかけるほうが、戻ってきてもらいやすくなります。
定期購入の継続率を改善する仕組みの作り方
ここまでの施策を単発で終わらせず、継続的な改善につなげるには、仕組みとして運用できる状態が必要です。自社の課題と顧客の行動を把握したうえで、必要な施策を考えます。
ここでは、自社の課題と顧客の行動の把握から効果検証まで、5つの手順で紹介します。
- 自社の継続率の定義と現在地を確定する
- 顧客の行動を段階ごとに図式化する
- 予兆を捉える指標を決める
- セグメントごとに施策を設計して実行する
- 効果を検証し自社で回せる体制にする
1.自社の継続率の定義と現在地を確定する
まず、自社における継続率の定義を明確にします。何回目までを継続とするのか、どの期間で区切るのかを、実際の購買サイクルに合わせて決める必要があります。
外部の基準をそのまま当てはめると、自社の実態と合いません。基準を決めた後は、残存率や区間継続率でどの段階から顧客が離れているかを把握します。ここまで見えれば、優先して改善すべき箇所も定まります。
2.顧客の行動を段階ごとに図式化する
次に、初回購入から定着、離脱の兆し、解約までの行動を自社データで確認します。見るべきなのは開封率やクリック率だけではなく、購買間隔や継続率など、実際の購買行動に関わる指標です。
併せて、購入商品の組み合わせごとに顧客を分けます。行動の段階と組み合わせを掛け合わせると、どの顧客がどの段階で離れているのかを把握可能です。他社の方法を当てはめず、自社の購買サイクルや利用開始までの期間を踏まえて整理してください。
3.予兆を捉える指標を決める
図式化した行動から、離脱の手前で動く指標を選びます。重要なのはしきい値を自社データで決めることです。過去に離脱した顧客の行動を遡り、どの水準を超えると戻りにくくなるかを確認します。
- 坂東コメント:ポイントは、セグメントごとのリピート率と購買間隔を関数として扱うことです。Geneはこの2つをモデル化し、売上の着地を誤差5%以内で予測しています。狙いは予測を当てることではありません。着地が読めれば、どのセグメントにいつ何を打つかを前もって設計できます。後追いから先読みへの転換が仕組み化の分かれ目です。
4.セグメントごとに施策を設計して実行する
母集団の分け方と予兆の指標が決まったら、両方を組み合わせてセグメントを設定します。購入間隔が延びた顧客には商品の価値を伝え、スキップが続く顧客には配送周期の見直しを提案するなど、状態に応じて施策を変えましょう。
実行時は、「なぜこの顧客に、この施策を行うのか」を説明できる状態にしておきます。理由が曖昧では、実施後の効果も検証できません。
5.効果を検証し自社で回せる体制にする
検証では、開封率やクリック率で満足せず、継続率・解約率・LTVで評価します。
欠かせないのが実施群と未実施群の比較です。既存顧客への施策は、実施しなかった場合の結果を後から確かめられないため、比較対象がなければ施策による上乗せ分を示せません。
最終的には、外部パートナーに頼り続けるのではなく、現場が自ら判断し、改善を続けられる体制を整えます。
定期購入の継続率向上やサブスクの解約防止施策の相談はGeneへ
ここまでの手順を自社だけで進めるには、データ分析の専門性やリソースが必要です。そのため外部の支援を受ける企業も少なくありません。
一方、ベンダーは自社プロダクトの販売で、コンサルティングファームは短期間かつ高単価のプロジェクトで収益を上げます。提案がツール起点になりやすいことも、継続率の改善と時間軸が合いにくいことも、善悪ではなく売上構造から生じる違いです。
当社Geneが選ばれる主な理由は次の3つです。
- 500社・30業種のデータから自社が目指すべき継続率が分かる
- 購買行動の変化を捉えて解約される前に手を打てる
- ツールを増やさずに今ある仕組みで継続率を改善できる
500社・30業種のデータから自社が目指すべき継続率が分かる
Geneのコンサルティングは、支援実績500社超、延べ1.5兆円規模の購買データ、30業種以上の蓄積に基づいています。特定の業界に依存しないため、業界を越えて成功モデルを翻訳し、自社の文脈に合わせて応用できます。
事例をそのまま持ち込まず、本質を抽出して別の文脈に組み直します。失敗パターンも類型化しているため、業界平均ではなく自社の実態に基づいた目標値を定められます。
購買行動の変化を捉えて解約される前に手を打てる
既存顧客への施策は、実施しなかった場合との違いが見えにくく、効果を判断しづらい領域です。だからこそ、購買行動の変化を数値で確認できる状態にしておく必要があります。
Geneでは、セグメントごとのリピート率と購買間隔日数を継続的に確認し、月次の売上が落ち込む数ヶ月前に購買行動の変化を検知します。購入商品の組み合わせごとに顧客を分けるため、全体平均では見えにくい変化も把握可能です。
さらに、この2つをもとにした独自の売上予測モデルにより、実績ベースで誤差5%以内の精度で将来の売上を予測しています。継続率を販促の指標ではなく、経営判断の材料として扱える状態になります。
ツールを増やさずに今ある仕組みで継続率を改善できる
Geneはまず、いま使っているツールが十分に活用されているかを確認します。こうした判断ができるのは、自社でシステムを開発・販売しないファブレス型の組織だからです。ベンダーと事業者の間に立ち、必要性をフラットに判断できます。
実際、ある企業では新しいツールを導入せず、既存の仕組みの見直しとベンダーマネジメントで、年間約1億円だった配信コストを約6,000万円まで削減しながら成果も向上させました。別の企業では年間5,000万円の開発費を削減しています。
自社で販売するツールを持たないからこそ、不要な投資は勧めず、今ある仕組みを活かした改善を提案できます。
定期購入の継続率向上とサブスクの解約防止に関するよくある質問
最後に、継続率の水準や指標の選び方など、実務でよくいただく質問をまとめました。
定期購入の継続率は何%あれば合格ラインですか?
一律の合格ラインはありません。商材や価格帯、獲得チャネル、初回オファーによって適切な水準は変わり、同じ企業でも購入商品の組み合わせで差が出るためです。
まずは自社のデータを回数別・セグメント別に分け、どの段階で下がっているかを確認してください。外部の数値は参考値として使います。
継続率と解約率はどちらを追いかけるべきですか?
定義上は表裏の関係にあるため、どちらを主指標にするかより、社内で定義と集計期間をそろえておくことのほうが重要です。見るべきは全体平均ではなく、回数別・セグメント別に分解した数字です。
なお実務では、定期購入なら継続率、サブスク型なら解約率を主指標に置くことが多い傾向にあります。SaaSを中心とした解約率(チャーンレート)の下げ方は、別記事「チャーンレートを下げる方法」で詳しく解説しています。
商品の組み合わせで継続率は変わりますか?
はい、変わります。既存顧客をパターン別に分けて比較すると、継続率の高い組み合わせを把握可能です。
ただし、その組み合わせ自体が継続につながったとは限りません。関心の高い顧客が選んでいる可能性もあるため、要因は分けて考えてください。
解約の申し出があったときどう対応すべきですか?
やめる・続けるの二択にせず、一時停止や配送サイクルの変更、プランのダウングレードなど、状況に合わせた選択肢を示します。手続きはわかりやすくし、不必要に煩雑な設計は避けてください。
ただし、この段階でできることには限りがあります。購入間隔が延び始めた時点で対応するほうが継続につながります。
成果が出るまでにどのくらいかかりますか?
継続率は長期で見る指標のため、施策の効果が最終的な数字に表れるまでには、購買サイクルに応じて数ヶ月単位の時間がかかります。
一方、購買頻度の低下など、解約につながる前の変化は早い段階から確認可能です。最終的な継続率だけを待たず、途中のKPIも併せて追ってください。
まとめ
定期購入・サブスクの継続率改善は、指標の定義を社内でそろえ、自社のデータで現状を把握するところから始まります。解約の多くは商品そのものへの不満ではなく、提供方法と顧客の利用実態とのズレから生じ、購入間隔の延びやスキップの増加といった予兆が事前に表れます。
だからこそ、業界平均に頼らず自社の基準を持つこと、購入商品の組み合わせなどで顧客を分けて見ること、予兆を捉えて解約される前に動くことがポイントです。紹介した7つの施策を顧客の状態に合わせて組み合わせ、定義の確定から効果検証までを仕組みとして回すことで、継続率は着実に改善できます。
新しいツールや特別な仕組みが必要とは限りません。顧客の行動を継続的に確認し、自社に合った施策を積み重ねることが、長期的な売上につながります。どこから改善すべきか判断が難しい場合は、Geneにご相談ください。